当時はボディを若干改造すれば、念願のアメリカ輸出型がつくれると考えられていた。
そうなると日本の軽自動車は、誕生以来倹粕Nを経て、はじめて国際的なクルマになる。
すでに東南アジアや東ヨ−ロッパでは、軽自動車は排気量を拡大したエンジンを載せて売られているが、アメリカに輸出するとなると、オートマチックで、14程度にしなければなるまい。
渋滞を予想して相当早く家を出たのだが、当日の渋滞は想像を絶しており、渋谷から青山まで2時間もかかった。
外苑付近に着いた時点で、もう開演ギリギリであった。
駐車場はすべて満杯だ。
やむなく路上駐車しようとしたが、大きなクルマがずらりとスペースをふさいでいる。
そこで私はワゴンRをクルマとクルマのあいだに、縦に入れて駐車した。
それは全長3.3mのワゴンRでなければできない芸当だ。
ワゴンRで来てよかったなと私は思った。
私は軽自動車を所有して、あらためて軽自動車が都内で使いやすいことがわかった。
いまや世界中の都市交通が混み合ってるから、ますますこの種のクルマの需要が高まると、私は予測する。
この点、日本の軽自動車は世界的な普遍性を得る可能性を持っている。
そうなるには、むろん安全、燃費を厳しく追求しなければなるまい。
いつまでたっても5ヴァルブのターボで、燃費が14当たり5〜6肋というのでは、バカバカしくて誰も乗りやしまい。
軽自動車にこそ、新しい直噴ガソリンエンジンや特別に燃費のいいディーゼルを与えてほしいところだ。
いまの軽自動車を新時代の乗用車に育てるには、まずは運輸省が英断をもって、アップトゥデイトな新しいルールをつくることだ。
たとえばエンジンの排気量は0.54だろうが、原則自由だ。
前だおしして、遅くとも9月ごろにはニューカーを出してくるのではないか。
それは富士重工だけにかぎるまい・安全基準をパスしたクルマが、前だおしでどのくらい出るか興味深いところだ。
それを見ると各社のいろいろなものの考え方がわかるし、また各社が安全に関するデータをどの程度持っているかもわかるからだ。
衝突安全のデータを蓄積するのは大変な作業である。
実車を衝突させて、さまざまなデータを集め、専門家がそのデータをコンピュータにインプットして解析するのだが、それには大量のお金と時間がかかる。
1台ドンとやるだけで、おそらく軽く5000万円はかかるであろう。
しかし、そのデータが蓄積すればするほど安全なクルマがつくれるのだから、各メーカーとも必死である。
日本の軽自動車メーカーは、当初、奇形ながら2ドアの乗用車をつくり、それを無理やり4ドアとした。
そのうちにクーペ、ジープタイプの4輪駆動車、さらにはミドシップのオープン2シーターまで登場させた。
そして現在ではSUV、ステーションワゴン、ミニヴァンといちおう全部そろっている。
そのなかでも、私は自分で使ってみた結果、ワゴンRが最高だと思っている。
ただし、モード燃費が14当たり1を割ってはいけないとする。
また、ボディも縦横比は自由で、幅が2mを超えようがかまわない。
ただし、上方投影面積を5u以下と厳しく制限する。
さらに付け加えるなら、リサイクル率だ。
現在、日本のクルマのリサイクル率は甘いが、それを4%以上に義務づける。
そして、このルールをクリアしたクルマは、従来の軽自動車以上の大幅な特典を与えるといい。
そうすればTもNも、このセグメントに本気で参入してくる。
そうなれば初めて、このセグメントに、創意と工夫が生まれてくるはずだ。
それは、ダイハツとSを保護しないことにつながるが、私はそれでいいと思う。
それが正しいやり方ではなかろうか。
軽自動車のルールは、重箱の隅をつつくような規制をコマゴマと並べ立てたのではダメだ。
軽自動車を作る側にもっと自由度を与え、本質的なところから制限すべきである。
そうでなければ、技術の発展が考えられないではないか。
軽自動車はルールをもう一度練り直し、一からつくり直せば、間違いなく世界的に普遍性のある商品になる。
もし、行政に自分たちこそ日本を支えているのだという自負があるのなら、ここは行政が本気で考えるべきだ。
そうでなければ、軽自動車はいつまでたっても奇形のままである。
広さについてはヴィータのほうがうまい。
惜しいのは内装である。
日本に入ってくるポロの内装は、例によっていかにも武骨なドイツ車然としたものばかりで、またかよという感じだ。
センスのいいトウィンゴあたりを学べと言いたい。
本来ポロには、1.04や1.32など、エンジンの種類が多い。
ミッションはオートマチックだけだったが、n月からマニュアルボックスも導入された。
ポロが日本へ導入されるのが遅れた理由は、オートマチック・トランスミッションのセッティングがむずかしかったからだと言われているが、このジャトコ製4速オートマチック・トランスミッションは、効率もいいし、フィールも文句なしである。
やはり日本のトランスミッションは一流だなと思わせる。
ポロはオートマチックということもあって、かつてのゴルフーのような、俊敏かつスポーティなフィーリングに欠ける。
ポロに乗るのなら、やはりマニュアルのほうがより理想に近い。
遅れて入ってきたマニュアルは、オートマチックとはだいぶフィーリングが違うはずだ。
本来、ドイツのポロには、1.44のDOHCエンジンやディーゼル版があり、これがなかなかいいらしい。
残念ながら、これらのエンジンは日本VWラインナップのボトムをつとめる、FF2ボックスカー。
1994年に登場して以来、ヨーロッパで大ベストセラーカーとなっている。
日本への導入は遅れに遅れ、ようやく今年の夏になって1.64モデルが入ってきた。
私が初めてポロに乗ったのは、パリ郊外の試乗会だった。
なぜパリ郊外なのか。
VWの説明によると、この種の小型車はやはりフランスが彼らの先生であり、VWとしてはポロをフランスへもたくさん売りたいのだとのことであった。
なるほどョ−ロッパのメーカーは、そうした認識はしっかりしている。
実際、ポロはその後フランスでもたくさん売れている。
ボディは3/5ドアハッチバック。
2年前、ポロが発表された当時は、このデザインは新しい小型車を目指すような新鮮さがあった。
しかし、その後、ルノー・トゥインゴやフィアット・プントなど、個性的な小型車がいろいろ登場するにおよんで、その新鮮さも薄れてきた。
それでも、大きなクルマがのさばる日本に持ってくると、依然として可愛く見える。
とくに3ドアのほうは魅力的だ。
ポロの室内パッケージはきわめて常識的だ。
リァシートには入ってこないだろう。
日本でのポロで惜しまれるのは、その価格が少々高めに設定されていることだ。
5ドアのオートマチックが、179万円、3ドアが169万円である。
この価格は万から賜万円高いと思う。
できれば、最も高いモデルで160万円以下に抑えたいところだ。
ポロの最も高いモデルは、ゴルフの最も安い3ドア、マニュアル仕様と数万円しか違わないのである。
やはり小型車というのは、生き生き、キビキビとした走りが身上だ。
オートマチックでダラダラ走るのではつまらない。
私なら、やはり5速マニュアルボックスの3ドアに乗りたい。
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